頼れるトナリが大一番に挑む。ソフトバンクの左腕エース大隣憲司投手(29)が今日28日、「SMBC日本シリーズ2014」第3戦に先発する。本拠地ヤフオクドームでの初陣。絶対に落とせないシーズン最終戦「10・2」、CSファイナルステージ第6戦の「10・20」に続き、勝負どころでの登板。猛虎打線を封じ、地元胴上げへ3度目の快投を演じる。

 やっと大隣に出番が回ってくる。「(第2戦勝ち投手の)武田がいい流れをつくったんで、その流れに乗っていけば。緊張はしていない」と、いつもの柔らかい笑顔だった。この日は練習後にしっかりケアし、最後に球場を後にした。

 20日のCSファイナルステージ第6戦は第1戦から中4日で登板。7回、99球で無失点。日本ハム打線を封じ、CS突破に貢献した。首脳陣は極限の大舞台で安定した投球を続ける左腕の肩、肘への負担を考慮。日本シリーズは中7日空け、本拠地初戦となる28日第3戦に照準が合わせられた。大隣は「万全に調整できました」。加藤投手コーチは「間隔を空けた方がいいとトレーナーとも含めて話した」と最優先でローテーションを組んだことを明かした。

 大隣が一番警戒しているのが4番のゴメス。「選球眼がよさそうだし、外もついてくる。内、外の出し入れを厳しくいかないと、甘くなると1発がある。(内角に)直球も変化球も思い切り突っ込まないと」と、懐をえぐることも宣言だ。

 過去のデータも第3戦の重要性を物語る。●○の1勝1敗で本拠地に戻ってきたケースは14度。第3戦を勝利したのは8度あり、そのうち7度が優勝。逆に第3戦敗戦は5度あり、そこから優勝したのは74年のロッテ1度だけ。負ければV逸の「10・2」や、CS敗退の可能性があった「10・20」と同じように、まさに天王山のマウンドだ。

 3連勝すれば地元ヤフオクドームで胴上げできる。秋山監督は「野球ってそんな簡単じゃねえよ」と慎重。もつれた場合、第7戦に再び中4日で大隣が指名される可能性もある。「全然。ここまで来たら」とフル回転宣言したが、これ以上酷使しないためにも、一気に地元で決める。【石橋隆雄】<大隣の節目登板>

 ▼10月2日オリックス戦

 レギュラーシーズン最終戦で先発し6回4安打無失点。2度得点圏で4番ぺーニャと対戦し、連続三振に仕留めるなど走者を背負った場面で粘った。「自分の投球ができて役目を果たせた」と納得の表情。

 ▼同20日CSファイナルステージ日本ハム戦

 アドバンテージ1勝を含め3勝3敗で迎えた第6戦。7回6安打無失点。経験のない中4日の先発登板だったが快投し、試合後に秋山監督からお立ち台に呼ばれた。