阪神が韓国球界の左腕エース、SKの金広鉉投手(26)とKIAの梁■種投手(26)を新外国人候補としてリストアップしていることが30日、分かった。ともに先発として韓国を代表する存在で、金は通算83勝、梁は62勝。阪神は来年2月の春季キャンプを直接、チェックする案を持つ。今季は来日1年目の呉昇桓がセーブ王に輝いた。今後も韓国球界からの戦力供給を狙う。

 金広鉉、梁■種とも今オフはポスティング制度を利用してメジャー挑戦を目指したが断念した経緯がある。金は08年北京五輪では星野ジャパンに立ちはだかり、金メダル獲得。09年WBCにも出場し、国際経験は豊富。今オフは米大リーグ・パドレスとの交渉が破談になった。SKは2月に沖縄・うるま市内で春季キャンプを行う予定。阪神も沖縄に滞在していて、現状を把握するために視察することは十分に可能だろう。

 梁は日本球界入りを検討するともいわれる。球団関係者も「日本球界も視野に入れている」と認めた。来季から指揮を執るKIAの金杞泰監督は06年に阪神でコーチ研修を受けた縁がある。KIAも春季キャンプを日本で行っており、編成関係者が実戦などで視察を検討する。阪神は太いパイプを生かして動く構えだ。

 チームにも理想的な補強だろう。先発ローテーションに定着している左腕は能見と岩田の2人。いずれも30歳代。韓国の左腕コンビはともに26歳と若い。金は最速150キロ超の直球と切れ味鋭いスライダーが武器。梁も140キロ台後半の直球と緩いカーブなども駆使し、仁川アジア大会の金メダル獲得に貢献。今季は球団史上初の韓国球界出身助っ人、呉昇桓が大活躍。来年も隣国に熱視線を送る。

 ◆金広鉉(キム・グァンヒョン)1988年7月22日、韓国・京畿道生まれ。安山工時代は韓国高校代表のエース。07年にドラフト1位でSK入団。08年に最多勝(16勝)と最多奪三振(150)でMVP。マウンドで笑顔を絶やさず、CMにも出演。「スマイルK(三振)」の愛称を持つ。通算185試合に登板して83勝49敗、防御率3・30。188センチ、88キロ。

 ◆梁■種(ヤン・ヒョンジュン)1988年3月1日、光州生まれ。光州東成高から07年2次ドラフト1位でKIAに入団。09年に12勝をマークすると、翌10年には16勝と活躍。今季は自己最多タイの16勝。通算242試合に登板し62勝42敗、防御率4・33。183センチ、85キロ。

 ※■は王ヘンに玄