楽天の新人合同自主トレが12日、コボスタ宮城でスタートした。午前9時半過ぎから室内練習場でキャッチボールやランニングを行い、初々しく汗を流した。育成ドラフト2位の大坂谷啓生内野手(22=青森中央学院大)は毎年恒例のシャトルランで114本を走破し、新人9選手中3位となった。強肩、走力をアピールして、支配下登録を目指す。

 「たくさんの方に見られているし、やったことのない感じで疲れました」。大坂谷は純朴な笑みを浮かべ、初日を振り返った。報道陣約50人、テレビカメラ7台が見守る中、必死に体を動かした。新人毎年恒例のシャトルランでは114本を走りきった。「もうちょい、いけるかなと思って頑張りました。後半は気持ちで勝負した」とはにかむ。

 青森・つがる市出身の新人を上岡スカウトはこう評価する。「ザ・素朴。能力もすばらしいし、すてきな雰囲気を持っている」と。昨年12月に行われた入団会見では独壇場だった。会場を笑いの渦に巻き込んだ。ニックネームを問われると「青森はねぶたが有名なので、ねぶた」と即答。仙台の印象については「青森と比べると、夜も明るい」と地元ネタで笑いを取った。出身である弘前学院聖愛高、青森中央学院大の両校から初のプロ選手となった生粋の「りんごっ子」だ。

 入寮では何よりも大事なものとして、目覚まし時計を持ち込んだ。「朝が弱いんで、寝坊しないようにします」とほんわかと話した。素朴さばかりが際立つが、大学の卒論テーマは「ミズノの経営について」。スポーツについてしっかりと学んできた。

 目指すは背番号「123」から、2ケタの支配下登録となること。「1年目から支配下登録されるよう1日1日練習を頑張りたい」と鼻息は荒い。【島根純】

 ◆大坂谷啓生(おおさかや・ひろき)1992年(平4)11月9日生まれ、青森・つがる市出身。つがる市稲垣中から弘前学院聖愛に進み、2年生秋に東北大会準決勝進出。青森中央学院大では強肩を生かし、チームを支えた。50メートル5秒9、遠投110メートルで内外野のポジションをこなせる。年俸240万円、支度金200万円。背番号123。