ソフトバンク工藤公康監督(51)が3つの禁止事項を掲げた。「試合中のガム」「ツバ吐き」「言葉の禁止」で、23日に行われた監督・コーチ会議で全スタッフに通達。これから選手に徹底していく方針だ。

 熱いだけではなかった。今季のスローガンに「熱男(アツオ)」を選び、全力プレーを約束した。工藤監督が大事にするのは、ファン目線だ。ファンに夢を与える存在になっているか。特に現役引退後は、高校野球を取材し、野球の原点を痛感した。「高校野球ぐらいに一生懸命やれば、プロはもっと人気が出る。夢を壊さないように、グラウンドでも立ち居振る舞いをしっかりしたい」と就任後に話している。ガムとツバ吐きの禁止で、その実現を目指す。

 「言葉の禁止」では、3つのNGワードを設定した。「できません」「分かりません」「しようがない」の禁止だ。工藤監督は現役時代から向上心を大切にしてきた。その気持ちを阻害する言葉は不要。自分自身をより高めていく姿勢を選手に期待している。

 1軍~3軍コーチに要望したのは、「継続力」だ。練習開始のウオームアップから、トレーナーやトレーニングコーチだけでなく、各コーチが選手を見ることをお願いした。「毎日見ると変化が分かる。ケガの予防にもなる」。日本一連覇は現状維持で達成できるほど甘くない。「工藤イズム」を注入し、チームをさらなる高みに導く。【田口真一郎】