阪神呉昇桓投手(32)が27日、江夏豊氏(66)に学んで鉄壁守護神を目指す意気込みを明かした。韓国から関西空港着便で来日。宜野座キャンプで臨時コーチを務める同氏の直接指導を心待ちにした。

 呉昇桓

 すごい人だと聞いています。教わることはたくさんあると思います。技術的なこととか、たくさん聞いて吸収したいです。

 1年目の昨季は39セーブでタイトルを獲得したが、課題も見え隠れした。すでに江夏氏自身も呉への指導意欲を球団関係者に伝えており、弱点克服の勉強道場は願ったりかなったりだ。

 <1>苦手G戦

 巨人戦防御率はリーグ最悪の3・48。他球団相手は1点台や0・00だけに際立つ。昨季は計5発を献上したが、うち2発が阿部と高橋由。元祖巨人キラーから極意も伝授してもらえば、鬼に金棒だ。

 <2>苦手交流戦

 昨季防御率は1・76だが交流戦は4・15。全4敗中2敗を喫した。梅雨の6月の不調が原因と見られるが、1年中安定した力を発揮する方法を吸収すれば、鬼に金棒だ。

 呉昇桓

 巨人は強いですよ。でもこのチームに弱いという意識はないし、交流戦がよくないのは体調的なもの。リーグ優勝して日本一になるために、昨年の反省を生かして防御率を下げ、セーブ失敗を減らしたい。全体的には2死から打たれた印象があるので、今年はより集中して抑えたい。

 <3>もっと完璧に

 言葉とは裏腹、2ストライク後の被打率は1割台だ。でも本人は少しのスキもなくしたい様子。「江夏の21球」に代表される極限の心理状態も教われば、鬼に金棒だ。

 韓国最多の277セーブを誇る現役守護神と、206勝193セーブのレジェンド守護神の合体。石直球が進化する。【松井清員】