9日に平塚球場で予定されていた首都大学野球春季リーグの東海大-城西大、筑波大-帝京大の各1回戦が、雨に放射性物質が含まれている可能性を考慮して中止となった。これにより、開幕投手を任されていた今秋ドラフトの目玉、東海大・菅野智之投手(4年=東海大相模)は、今日10日の城西大戦にスライド先発することになった。

 球場で行われたのは、昨秋優勝した東海大の優勝旗返還のみ。開幕戦中止の決定について、首都大学野球連盟の宮下潤事務局長は「グラウンドコンディションの悪さに加え、福島原発の危険性も考慮した。今季は雨なら即中止する」と説明。福島第1原発がいまだ予断を許さない状況の中、雨に放射性物質が含まれる可能性を懸念した措置。今後も試合中に雨天となった場合は、雨がやむまで試合を中断する方針という。

 157キロ右腕の菅野は、いきなりのスライド登板となった。昨秋の明治神宮大会決勝も雨天で順延。東海大・横井人輝監督(48)は「前回も経験しているし、スライドは全く問題ない」と話す。だが今後、中止やノーゲームによる再試合が増えれば「投手起用も神経を使わないといけなくなりますよね。6回まで投げた後に、雨で試合が成立しないとかあるかもしれない」と複雑だ。しかし同監督は「選手を預かる身としては、そういう配慮は当然。明日また仕切り直しです」と切り替えていた。【鎌田良美】