<東京6大学野球:明大9-4早大>◇12日◇神宮

 明大が早大を下し、初勝ち点を挙げた。ドラフト1位候補のエース野村祐輔投手(4年=広陵)は、最速147キロをマークして7回を被安打7の1失点。7三振を奪い、通算では314として、先輩の川上憲伸投手(ブレーブス傘下の2Aミシシッピ)が記録した311を超えた。勝利は通算26勝(今季2勝)とした。まだ4カードを残しておりラストシーズンに30勝超えが見えてきた。

 野村がギアを上げたのは中盤からだった。「走者をためていたので、ピリッとしないといけないと思って気合を入れました」。5回1死後、早大・佐々木を145キロ速球で三振に仕留めた。この試合4個目が通算311となり、川上に並んだ。6、7回の3個を加えて314に伸ばした。「偉大な先輩を超えたことは光栄に思います。もっともっと、頑張りたいです」。

 3戦目に勝てないエースだった。今春、初戦は5戦5勝。それが3戦目は3連敗と1勝もできなかった。善波達也監督(49)も「立ち上がりと3戦目が課題。丁寧にいこうとしすぎ」といい、試合前には「上から見下ろすぐらいで、攻めていけ」とアドバイスした。もっとも開始早々、味方打線が5点を奪う強力援護があった。野村は「楽になって、楽なピッチングをしてしまった」と、逆に反省する展開になっていた。

 1位指名を公言する広島の苑田スカウト部長は「力が入っとったのは交代する前ぐらい。1回、さあ行こうと思ったら、散々待たされて気合も入らない。ウチの1位は変わりません」と笑顔で見守った。通算の勝利数は26勝。早大・和田(現ソフトバンク)にあと1勝、川上にはあと2勝と迫った。【米谷輝昭】