<全日本大学野球選手権:八戸大8-1岡山商大>◇12日◇1回戦◇東京ドーム

 2年ぶり7回目出場の八戸大(北東北)は、8回コールドで岡山商大(中国地区)を下し、6大会連続で初戦を突破した。先発の2年生左腕・秋山翔夢(しょうむ、北海道・函館工)が5回2/3を5安打1失点。14安打8得点の打線の援護で全国デビューを白星で飾った。

 八戸大が大学選手権通算10勝目を、05年大会の2回戦(四国学院大)以来2度目のコールド勝利で飾った。当時は代行監督だった正村公弘監督(48)は「(代行とは)違う。ほっとしている」と就任2年目の全国初采配を振り返った。

 全国初登板の秋山がゲームメークした。初球は球速111キロの変化球。フルカウントから先頭打者を見逃し三振に仕留めて好発進した。スタミナ切れで6回2死から四球と連打で1点を失って降板したが、念願の全国初白星。翔夢がドームで夢(ドリーム)をかなえた。「思ったより狭く感じたので、コースと緩急を使い分けて丁寧に投げました」。秋山の冷静さが好投につながった。

 相手の先発、見村翔(4年)との「翔対決」を制した秋山同様、名前に「しょう」の文字を持つ選手が活躍した。2番川越彰吾捕手(4年=青森・光星学院)が3安打2打点。4番建部翔太三塁手(3年=神奈川・横浜隼人)も2安打2打点で援護した。リーグ戦の9番から2番に上がった川越は「やることは変わらないので、次につなぐことだけを考えてました。秋山は緊張していましたが、悪いなりによくやってくれた」。2年前の4強入りメンバー建部も「初めての全国マウンドだったので、点を取って楽にしてやりたかった」と若きエースをもり立てた。

 今日13日の2回戦では優勝4回の亜大(東都)と対戦する。正村監督は「足をすくえるように、胸を借りるつもりで戦いたい」。秋山は「勝つチャンスはあると思う。しっかりと踏ん張って接戦をものにしたい」と連投に意欲を見せた。【佐々木雄高】