<東都大学野球:亜大3-0中大>◇第1週第2日◇4日◇神宮

 史上初の7季連続優勝を狙う“亜大のダルビッシュ”が、リーグ戦初完投初完封でチームのピンチを救った。先発のルーキー右腕、嘉陽宗一郎投手(1年=松山聖陵)が、7安打7奪三振で投げ切り、中大を破り、1勝1敗の五分に戻した。

 高2の秋季愛媛大会準決勝で済美・安楽と延長14回まで投げ合った嘉陽が、リーグ戦初完投を初完封で飾った。186センチの堂々の体格で、6度得点圏に走者を背負ったが崩れない。安楽に投げ負けて以降、体力強化への思いは増すばかり。「変化球でしっかりとカウントが取れた」と納得の表情だった。

 7季連続優勝を目指すチームが開幕戦で黒星を喫し、この日敗れれば勝ち点を落とす試合だった。最速144キロの直球に、新球のカットボール、ツーシームで的を絞らせない。生田勉監督(48)は「将来はエースになる投手。経験を積ませて入れ替え戦までに成長できればと思っていましたが、予想以上。100点満点です」とたたえた。

 嘉陽はピンチでも動じないために、同校OBのソフトバンク東浜、広島久里らの大学時代のビデオを見て研究。故郷沖縄から両親と姉、妹が観戦に訪れる中、大きな1勝をつかんだ。