<札幌6大学野球:道都大7-5北海学園大>◇第2節第4日◇26日◇札幌円山

 道都大がリーグ史上初の6季連続優勝を果たした。2位の北海学園大を下し、最終戦を残して頂点に立った。1回に相手ミスに乗じて一挙5得点で試合を優位に進め、逃げ切った。12年春からのV6で、94年春から5季連続優勝の札幌大と並んでいたリーグ記録を更新した。11月の明治神宮大会出場を目指し、北海道6大学リーグ優勝校と対戦する北海道地区代表決定戦(10月4日開幕、球場未定)に挑む。

 夕暮れの空の下、マウンドに集まった道都大ナインの笑顔が輝いた。左腕、金沢一希(3年=旭川龍谷)が最後の打者を左飛に仕留めると、駆け寄り、抱き合って喜んだ。史上初の6季連続リーグ優勝。3度宙を舞った山本文博監督(58)は「胴上げも慣れてきた」と照れ笑いを浮かべながら「プレッシャーもあった。選手に感謝」とほっとした表情を浮かべた。

 立ち上がりの大量点で主導権を握った。1回に相手失策と暴投で先制。相手守備の乱れに乗じ、2安打で5点を奪った。6回には4番伊賀俊輔主将(4年=横浜創学館)の2点適時二塁打で追加点を挙げ、リードを守った。3安打の伊賀は「いつも以上に力を入れて試合に臨んだ」と、V6達成への執念を見せた。

 上級生限定のチームづくりをしない方針が、連覇の基盤となっている。06年から指揮する山本監督は1年生でも積極的に公式戦で起用する。「技術とハートが強い選手を入学後に見抜いて、その学年をまとめさせるんです」と明確な狙いがある。今春も開幕戦で1年生2人を先発に抜てき。各学年に軸となる選手を早期から育成している。

 早い時期からの試合出場によって、4年生が引退後の大幅な戦力低下を回避し、経験豊富なその選手がチームを活性化させる。1年春からレギュラーで、すでに次期主将とされる須貝祐介一塁手(3年=旭川南)は「自分がしっかりしなきゃという気持ちになって、しんどいけど、チームメートにもキツイことを言ったりする」と明かす。

 10月4日に始まる明治神宮大会の北海道地区代表決定戦では、3年連続出場を懸けて、北海道6大学リーグ覇者と対戦する。伊賀主将は「挑戦者の気持ちで頑張りたい」とナインの思いを代弁した。快挙達成はまだ通過点。6季連続のリーグ王者として、全国切符を狙う。【保坂果那】

 ◆道都大野球部

 1978年(昭53)、紋別市に学校創立と同時に創部。北海道6大学に所属し、全日本大学選手権に3度出場。北広島市の道都短大(前身北海道産業短大)野球部は66年創部で、71年に全日本大学野球選手権出場。05年に道都大(北広島市)として2校が統合された。合併後は07年秋を皮切りに今秋で計11度目のリーグV。全日本大学選手権は11年8強が最高。主なOBにオリックス佐藤峻一投手、巨人大累進内野手がいる。