<仙台6大学野球:東北福祉大4-2仙台大>◇第5節第1日◇27日◇東北福祉大野球場

 東北福祉大の7番千葉義浩捕手(4年=東陵)が、逆転決勝打で勝利をもたらした。1点を追う8回2死一、二塁から、左越えに2点二塁打を運んだ。同じ大学日本代表の仙台大右腕熊原健人(3年=柴田)を打ち崩し、首位決戦に先勝した。

 優勝を占う大事な初戦に、千葉義が「熊原撃ち」で東北福祉大を救った。「内角の浮いたスライダー」(千葉義)を捉えた打球は、左翼の頭上を越えた。逆転2点決勝打。普段は淡々と話す山路哲生監督(48)が、表情を崩して喜んだ。「打ってくれると信じていました」。

 最速152キロの熊原に対し、打つポイントを前にして、速球に差し込まれないように対処した。時々甘くなる浮いたスライダーも想定し「練習していた」と千葉義は明かした。決め球のフォークを投げられる前にバットを振った。3回の中前打は初球。8回の殊勲の一打は3球目をたたいた。

 大学日本代表として7月、オランダでのハーレム国際大会に参加。熊原とは同じ部屋で過ごし「めちゃくちゃ仲がいい」と千葉義は笑う。だがリーグ戦では敵。「打ちたい気持ちがあった」。春に勝ち点を奪われ、プレーオフでも苦杯をなめた仙台大エースに借りを返した。

 今日28日の2回戦に連勝すれば勝ち点4となり、2季ぶりの優勝に大きく近づく。「いい感じで試合に入れると思う」と自信を見せた。この日2安打で打率は4割1分2厘に上昇。下位打線の7番だが、攻守に東北福祉大を引っ張っている。【久野朗】