エッ~、ソフトも!?

 ソフトバンクが、今日25日の「プロ野球ドラフト会議

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 TOSHIBA」で、メジャー挑戦を表明した花巻東(岩手)の大谷翔平投手(3年)を1位指名する可能性が出てきた。24日に都内でスカウト会議を開催。日本ハムの強行指名を意識した王貞治球団会長(72)が「同調するところが出るかも」と当日までスカウト陣の最終報告を待つとした。本命は亜大・東浜巨投手(4年=沖縄尚学)ながら、どんでん返しのにおいもしてきた。

 にこにこ笑顔は宣戦布告か。はたまた煙幕か。都内ホテルで約1時間の会議を終えた王会長は「1位はすんなり決定したか」と聞かれ、切り出した。「大谷君の動向がはっきりしないから。同調するところが出るかもね。ハムもあれだけ大きく出るってのは単なるアドバルーンじゃないだろう。いずれにしても明日にならないと…」。大谷に関する発言は止まらず、「(大阪桐蔭)藤浪君は実績を残しているが(大谷は)将来性、化ける可能性がある」と速射砲のように続いた。

 “独演会”の背景には日本ハムの存在がある。ドラフト2日前に山田GMが強行指名を明言。この日も栗山監督から直接ラブコールが送られた。大谷が21日にメジャー挑戦を表明した際、ソフトバンクも情報を収集。協議の結果、指名を回避し1度は「1位東浜」で一本化。ただ、球界全体が指名自重の潮流にある中、ライバル球団のとった行動に刺激を受けた格好となった。

 王会長は「スカウトのアンテナ、情報網にどんなことが入ってくるか。それを受けての最終判断になる」と話し、直前まで待って1位指名を確定するとした。チーム編成・育成を図る編成委員会の副委員長という立場で、53年に及ぶ球界でのキャリアからトレードや外国人の補強にも強い影響力を持つ。監督時代からドラフト戦略に関わり、土壇場で“英断”した過去もあり、今回もキーマンに変わりはない。

 夜、スカウト陣に1年間をねぎらう食事会を終えても「基本線は変わらないよ。でもここまで来たら最後の最後までチェックしたい」と東浜に軸足を置きつつ、大谷への未練を残した。球界の重鎮が発した言葉だけに、重みを感じさせた。【押谷謙爾】

 ◆ソフトバンクの急転「佑どり」

 10年は早大・大石(西武)を1位候補筆頭としていたが、ドラフト会議前日、王球団会長も参加したスカウト会議で再検討。同じ早大の斎藤(日本ハム)に入札し、周囲を驚かせた。日本ハム、ヤクルト、ロッテとの4球団による抽選に外れ、外れ1位で山下(習志野)を指名した。