全日本大学野球連盟と日本高校野球連盟は10日、プロ入り希望選手に提出を義務づけている「プロ野球志望届」の提出期間を締め切り、計127人(大学56人、高校71人)が提出した。

 24日のドラフトまで2週間を切ったが、ここまで1位指名選手を公言した球団はない。各球団が複数選手をリストアップし、他球団の動向を見極めながら直前に最終決断する見通しだ。昨年の巨人菅野、阪神藤浪のように早い段階から方針を固めている球団はなく、例年以上の“混戦”ドラフトになっている。

 その中で、1位入札が確実なのは桐光学園・松井裕樹投手、九州共立大・大瀬良大地投手、JR東日本・吉田一将投手の3人。当初松井には95年福留(PL学園)の高校最多7球団競合を超える可能性があるとみられていたが、ここにきて大学、社会人の即戦力投手にシフトチェンジする球団が増えてきた。在京球団のスカウトトップは「1番人気は吉田だろう」と予測。「松井のドラフト」から、「即戦力ドラフト」に切り替わってきた情勢だ。

 全体的には不作で、クジを外すリスクは例年以上に高い。3人への競合を回避し、東京ガス・石川、富士重工・東明、日本生命・柿田らの一本釣りを狙う球団も出てくるだろう。大学生投手では188センチの長身右腕、国学院大・杉浦が将来性高い1位候補。高校生では大阪桐蔭・森、東海大甲府・渡辺が、1位候補に入ってくる。【前田祐輔】