名場面を作ってみせる!

 広島ドラフト1位指名の九州共立大・大瀬良大地投手(22=長崎日大)が5日、東京都内のホテルで侍ジャパンに合流した。強化試合・台湾戦(8~10日)では先発投手に続く「第2先発」を任される見込みだ。9日の第2戦には野村監督がテレビ中継にゲスト出演するため、台湾入りする予定。指揮官の熱視線を受けながら、大舞台を踏みしめる。

 その一瞬、大瀬良の目が輝きを増した。侍ジャパンのイメージを問われた時だ。09年WBC決勝の韓国戦、10回表裏の攻防が脳裏に焼きついていると言う。

 「イチローさんの決勝タイムリーとか、ダルビッシュさんが最後にスライダーで三振を取った場面が、すごく頭に残っています。自分もいずれは皆さんの記憶に残るような選手になれたら、と思っています」

 午後3時過ぎ、東京都内のホテルに移動。午後6時半から全体ミーティングに参加した。小久保監督から「自分のできるプレーを精いっぱいやってくれ」と声をかけられ、キャプテン嶋からは「アマチュアとかは気にせず、一緒に精いっぱい頑張ろう」と気遣われた。貴重な体験を振り返り、思わず照れ笑いした。

 「緊張しっぱなしで…。手汗がすごかった。まさかこの時期にプロの選手とプレーできるとは想像もしなかった」。謙虚な姿勢を貫きながらも、将来の理想像はレジェンド2人。「この経験を無駄にしないようにしたい」と気合十分だ。

 「皆さんがお話しされる一言一句を聞き逃さないように、何でも吸収するぐらいの気持ちで。体作りとか私生活のリズムとか、細かいところを突き詰めて。いろんな人に声をかけて盗んでいきたい」

 すでに冬仕様の練習に移行しており、実戦形式の場から遠ざかる。2日に1回ペースでブルペン投球を続け、状態を整えた。今日6日の代表練習でもブルペン入りし、強化試合・台湾戦(8~10日)では第2先発を任される見込み。期待の大きさと真っ向勝負する覚悟だ。

 「僕らしくストレートで押せるところは押して、緩急も含めていろんな投球をしながら抑えていきたい」

 9日の第2戦は広島野村監督が台湾を訪れ、テレビ中継にゲスト出演する予定。タイミングが合えば、早くも「御前登板」が実現するかもしれない。ドラフトでは3球団競合の末、広島から1位指名を受けた逸材。華やかな形でサクセスロードを走りだす。【佐井陽介】