<強化試合:21U侍ジャパン6-0巨人2軍>◇4日◇ジャイアンツ球場

 日の丸の柱になれる。侍ジャパン21U代表に選出された阪神ドラフト1位の横山雄哉投手(20=新日鉄住金鹿島)が実力を証明した。練習試合に先発し、2回1安打無失点と危なげない投球を披露。「スライダーでカウントを整えることができた」と最速145キロの直球にスライダーを織り交ぜて、中井、坂口らヤングジャイアンツを黙らせた。

 注目のマウンドでも落ち着き払っていた。「多少緊張はあったけど、先頭を抑えたらそんなには…」。一発勝負の社会人で揉まれた強心臓。2回には1死から中井に3ボールとしたが、低めの140キロ直球で二飛。続く坂口も3ボールからスライダーで右飛と冷静に打ち取った。

 大喜びだったのは阪神のヘッドコーチでもある平田監督だろう。「変化球のコントロールもいいし、それに(最速は)145キロだもん。だてに阪神の1位じゃないよ」と、笑顔で絶賛。担当の中尾スカウトや2軍投手コーチに就任予定の巨人OB香田勲男氏も熱視線を送ったが、評価が間違っていないことは誰の目にも明らか。本物だった。

 現時点では、日本ハムの中村、上沢に次ぐ先発の2番手グループ。7日から台湾で始まる21Uワールドカップでは、9日オランダ戦か11日ニカラグア戦の先発が濃厚だ。

 平田監督は「使いたくなるでしょ」とプランを明かした。活躍次第ではしびれる場面で登板する可能性もありそう。横山は「世界一を目指します」と堂々と宣言した。【桝井聡】

 ◆横山雄哉(よこやま・ゆうや)1994年(平6)2月21日、山形生まれ。山形中央で甲子園に出場。新日鉄住金鹿島に進み、今年の都市対抗では5者連続奪三振。速球が武器の左腕。183センチ、85キロ。左投げ左打ち。