“特別査定”の大幅増を勝ち取った。ロッテのルーキー清田育宏外野手(24)が11月30日、初の契約更改交渉に臨み、1000万円アップの推定年俸2500万円で一発サインした。シーズン終盤の8月からレギュラーに定着。クライマックスシリーズ(CS)、日本シリーズでは計3本塁打の新人記録を樹立。後半戦の印象度がものをいった。

 常に明るい清田の表情は一段と晴れやかだった。初の契約更改交渉に臨み、満足の一発サイン。ルーキーイヤーを振り返り、「1年目からこんなに試合に出られるとは思ってなかった。日本シリーズを戦えて、優勝もできて、ほんとにいい1年になったなと思います」と、驚きと同時に納得のいくシーズンとなった。

 ポストシーズン3発の“特別査定”だった。今季はシーズン終盤の8月からレギュラーに定着。64試合の出場で打率2割9分、2本塁打、18打点の成績。それ以上に、強烈に「清田」の名を印象づけたのが、ポストシーズンだった。通算で3本塁打を放ち、長嶋、仁志、原を超える新人記録を樹立。また、日本シリーズでは86年の清原以来となるルーキーV打を放つなど、日本一は清田なしでは語れない活躍を見せた。石川球団運営本部長は「ポストシーズンの考慮は当然ありますよ。前半戦は荻野貴、後半戦は清田ということです」と、高評価の内容を説明した。当然、勝負どころの夏場からレギュラーに定着し、CS進出の原動力となったことがベースにある。レギュラーシーズンでの得点圏打率は3割7分2厘。荻野貴、早坂が相次いで離脱。外野手としてその穴を十分に埋めてみせた。「いろいろ(項目が)並んでましたけど、よく分かりません。得点圏を評価してもらいました」と話すように、勝負強さも大幅増の一因となった。

 ドラフト4位で指名された昨秋、「正直迷っています。ドラフトにかかったことはうれしいけど、4位という評価で悔しい気持ちが強い」と複雑な思いもあった。悔しさの入り交じった入団となったが、1年後に見返した。荻野貴の遊撃コンバート案もあり流動的だが、外野のポジションを争う姿勢をみせる。「負けたくはないけど、蹴落としてまでとは思わない。一緒に試合に出たいですね」と、ともに切磋琢磨(せっさたくま)してさらなる飛躍を誓った。【斎藤庸裕】