大リーガー不在の国内組投手陣を、「投手大谷」が救う。侍ジャパンの小久保裕紀監督(45)が24日、都内で会見を行い、第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に出場する日本代表8選手を追加発表し、全28選手中27人が決まった。大リーガー投手陣は全員不参加が決まり、投打二刀流に挑む日本ハム大谷翔平投手(22)の起用は、投手を基本とする方針を明言。

 メンバー発表を終えた小久保監督は、最も頭を悩ませた点について投手陣の編成を挙げた。「最大で(1次、2次ラウンド)10日間で8試合ある。先発、第2先発、中継ぎ、抑えのバランスを議論しました。投手を中心とした守りが一番」と、ディフェンス面を重視する方針を示した。

 招集を目指したヤンキース田中、ドジャース前田らの日本人大リーガー投手は全員不参加が決まった。大リーガーの招集が成功すれば、大谷を開幕戦のキューバ戦の先発以降は、打者中心で起用する考えがあったが「基本的には投手中心で考えています。日程的にどこで野手の出場が可能かは、栗山監督や日本ハムと話しますが、まずは先発で与えられたイニングを抑えてほしい」と、投手陣の中心に据える方針を固めた。

 先発候補には大谷、菅野、則本、石川を挙げた。3月7日の開幕戦は大谷、翌8日のオーストラリア戦は菅野、同10日の中国戦は石川、同12日の2次ラウンド初戦は則本を先発させることが濃厚。大谷は中6日で14日の2次ラウンド第2戦、世界一奪還に向けた勝負どころになる21日(または22日)の準決勝に先発することが可能になる。

 カブス上原が出場辞退したクローザーについて、小久保監督は「経験でいったら平野と松井(裕)。状態のいい投手を使う」と言った。中継ぎの中心は秋吉、宮西を据え、肩の出来が早い岡田を加えた。第2先発候補は増井、藤浪、牧田、千賀が挙がり、牧田、千賀については「臨機応変に後ろもいける」と柔軟に起用していく考えだ。

 大谷を野手として起用する場合は「DHか代打」と言う。青木は1番または2番で起用し、4番は「中田か筒香」とした。目指す野球については「打ち勝つよりも、投手力で点を与えない野球、最少失点で切り抜ける野球じゃないと勝てない」と指針を示した。守り勝って、世界一を奪還する。その中心に、「投手大谷」を据える。【前田祐輔】