権藤 試合になれば、ブルペンと連係するのも大事になる。毎イニング終わって電話で連絡するけど、それこそワイヤレスマイクでもつけてやりとりしたいくらいだ。

 山田 わたしは先発から9回まで、球数を想定して全部、継投のパターンを紙に書いて、それを原監督とブルペンの与田コーチに渡していました。ブルペンはそれを見て、準備させる。これが一番、ややこしいところです。

 権藤 今回は投手コーチはわたし1人だが、ブルペンには村田コーチがいるから、投手の順番は伝えておくつもりだ。それでも、次を抑えたらこれ、球数が来たらこれだぞと、毎イニング、終わるたびに電話するようにしないとな。それでも想定外のことが起こるだろうけど。

 山田 わたしも1度ブルペンを思い切り怒鳴りつけたことがあります(笑い)。最初は今までやっていた野球とは別もののゲームをやっているみたいでした。

 権藤 その継投の裏で、もし2回、準備して作ったら今日は登板なし、と決めておかないといけない。

 山田 普段のペナントレースなら9回から逆算していけばいい。でもWBCではまったく逆です。先から考えて、まずは5回くらいからどうつないで、取捨選択していくかですね。

 権藤 しかし、9回に投入するといっても、8回にならないと見えてこなかったりする。9回のためにずっと頑張ってくるという継投ではない。

 山田 権藤さんがいい投手からつぎ込んでいくと話しましたが、そういう感覚でないとダメでしょうね。最初の東京ラウンド、ここを乗り切ってしまえば、ジャパンは必ずまとまります。ぜひドジャースタジアムにナショナルフラッグを掲げてください。