日本のみなさん、ご安心ください。侍ジャパンの主砲、DeNA筒香嘉智外野手(25)が19日、ヤクルトとの練習試合(浦添)で2打席連続タイムリーを放った。第1打席の二塁打で今年3試合目、7打席目の初安打、初打点をマークすると、第2打席も適時打。前々日に3打席連続三振を喫していたが、不安をあっさり吹き飛ばした。

 侍ジャパンの主砲がついに打った。1回2死二塁。真ん中やや内寄りに入った成瀬の119キロスライダーを、筒香は拾うようにうまく右翼線に運んだ。先制二塁打。7打席目にして出た今季初安打だった。3回2死三塁では、初球の126キロ高め直球に反応し中前打を放った。3連続三振から2日。あっという間に正反対の結果を残した。「今は試していることがいろいろある。試合勘は戻ってきた。毎打席いろいろ調整している」と浮かれることなく冷静に語った。

 筒香独自の感覚がある。「ボールの見え方は前回の試合の方が良かった」というが、前回17日の練習試合ではボール球を追いかけて3三振している。ただし「体の中のまとまりは今日の方が全然いい」。まとまりとは「外見は一緒。体の中のつくり方なので表現できない」という。前回の試合後に「打席ごとに感覚が良くなっている」と話した言葉は強がりでなく、ただ本心を伝えていたことを結果で証明した。

 「筒香を誰よりも分かっている」と自負するラミレス監督の見立てはこうだ。「一昨日は振り過ぎていた。昨日は当てることにフォーカスして、その成果が出た」。筒香は前日18日、試合に参加せずキャンプ地の宜野湾に居残りで特打に励んだ。50スイングで17本の柵越え。監督から助言を与えたわけではないが、自らの考えで微調整を済ませた。

 今日20日の練習試合KIA戦(宜野湾)は4番で出場し、3~4打席で宮崎合宿前の出場を終える。「イメージはいろいろしていた。悪いことも、うまくいくことも対策はしてきた。これでボールがよく見えれば、ベストなコンディションでいけるよう準備するだけ」。ウエーティングサークルでヘッドからグリップまで同じ太さのこん棒バットを振り、打席ではバットを1度下げてから構えに入るルーティンも板についてきた。求道者の雰囲気を充満させ、筒香が世界一に挑む。【斎藤直樹】