試合後も菊池はベンチに座り、米国が喜ぶ光景を見ていた。

 「世界一を目指してみんなでやってきた中で、ミスが2個あって負けてしまった。自分のミスで負けた。典型的な負け方。決勝に進めるチームの姿を見て、やり返したい気持ちも焼き付けた。いろんなものを見ていた」。失策と、併殺を完成させられなかった守備を悔やんだ。好守を連発し世界を驚かせた大会だったが、最大の目標には手が届かなかった。

 取り返せたとは思っていない。1点を追う6回に158キロの外角直球を右翼スタンドに放り込んだ。試合唯一の得点を奪う1発だったが笑顔はなく「結果的には追いついたけど、僕のミスでみんなが打たないと、と思ったかもしれない。今日の試合がすべてです。また呼んでもらえるように頑張りたい」と再スタートを誓った。