初日10日は天覧相撲。1868年(慶応4)4月17日に大阪坐摩神社で行われた京都相撲が始まりだ。昭和天皇は本場所40回を含め51回も観戦され、平成ではこの日が21回目になった。

 以前は中入りからだったが、この日で4回連続の幕内後半からのご観覧。というわけで、通常の幕内土俵入りでなく、天覧相撲ならではの御前掛(ごぜんがかり)も07年初場所13日目が最後。天覧席に尻を向けぬよう一礼後、隊列で四股を踏む独特の土俵入りだ。

 天覧相撲にも「相性」がある。元大関霧島(現陸奥親方)は、84年秋場所から96年初場所まで、何と無傷の14戦全勝で引退。横綱在位中では大鵬が5勝3敗、北の湖は9勝3敗、千代の富士は11勝2敗、貴乃花は4勝3敗だ。

 現役では5勝1敗と強かった稀勢の里が2敗目を喫した。「気合は変わらないけど勝ちたいという気持ちは強い」と話す日馬富士は5勝2敗とした。この日も敗れ5戦全敗の嘉風だが、アマ横綱に就いた日体大3年時の全日本選手権が天覧相撲だったという。「後にも先にも自分の時だけ。ご縁があるんでしょう」と後世に伝える自慢話がある。【渡辺佳彦】