名古屋場所が開催されている愛知県体育館は、1964年(昭39)に完成してから50年以上が経過し、老朽化が進んでいる。エアコンは稼働しているが、席によって寒暖の差が激しい。2階席の最上段では、日本相撲協会の世話人2人が「暑い、暑い」とぼやきつつ、本場所に欠かせない仕事をしている。

 陸奥北海(52)と嵐望(44)が担当しているのは、「電光掲示板係」。正面と向正面に分かれ、電光掲示板の機械を操作する。対戦する2人が土俵に上がると四股名の上下に赤いランプをともし、取組後は勝った力士だけ点灯させておく。

 LED化はされてない。本番で突然、電球が切れたこともある。「安美錦の電気がつかない時があったけど、ドタバタしているうちに取組が終わった」と陸奥北海。幸い(?)安美錦が敗れて事なきを得た。操作盤はサビだらけ。遠隔操作はできない。四股名を書いたプレートは毎日、手作業で入れ替える。

 体育館は18年着工で全面改修されるが、本場所開催に影響しない。電光掲示板が新調されるかは不明。陸奥北海は「相撲の時しか使わない物。作業が楽になったらいいな」と期待している。【佐々木一郎】