荒汐部屋の大波3兄弟が、そろって本土俵に上がった。先陣を切ったのは、今場所が初土俵で三男の三段目若隆景(わかたかかげ、22)。白星で弾みをつけたが、続く長男の幕下大波(25)が黒星。3人の取組があることには「昨日、気付いてました。これで(次男の)剛士が勝ったら立場がない」と苦笑い。それを聞いていたかのように幕下剛士(23)が、元十両の朝弁慶を破って白星で締めた。

 3兄弟力士は過去に6組いる。中でも元十両鶴嶺山、元関脇逆鉾(現井筒親方)、元関脇寺尾(現錣山親方)は唯一の関取3兄弟として有名だ。最初の3兄弟は幕下小林、関脇輝昇、序二段輝櫻で、1944年までさかのぼる。現役では佐渡ケ嶽部屋の三段目琴大龍、序二段の琴虎と琴大村に続いて2組目になる。

 大波は「三男とはよく飯に行きますね。話も相撲の話で盛り上がる。次男は変わり者」と言い、剛士は「三男には負けられない」。若隆景は「3兄弟で関取になれたらいい」と話をまとめた。師匠の荒汐親方(元小結大豊)からは、最初の関取に他の2人が付け人を務める案が浮上中。「それだけは嫌」と3人仲良く口をそろえた。【佐々木隆史】