新序一番出世として土俵に上がった中学横綱の吉井(2019年3月14日撮影)
新序一番出世として土俵に上がった中学横綱の吉井(2019年3月14日撮影)

5日目の14日、春場所の新序一番出世16人が披露された。合格者40人は直近5年で最も少ないが、バラエティー豊かな人材が集まった。全国中学校大会決勝で戦った15歳2人は“中卒たたき上げ”での出世を目指す。

中学横綱の吉井虹(15=中川)は、新序一番出世で師匠の中川親方(元前頭旭里)の化粧まわしをつけ「いろんな意味で重い」と感慨深そうに話した。その日が47歳の誕生日だった父昌人さんは、会場で息子の晴れ姿を見守り「最高の誕生日プレゼントです」と笑顔。吉井も「親孝行して、いつかは横綱になりたい」と力を込めた。

その吉井に決勝で敗れた大辻理紀(15)は猛稽古で知られる高田川部屋への入門を選んだ。「厳しい環境で成長して、3年以内に関取になりたい」。師匠の高田川親方(元関脇安芸乃島)と、母真理子さんの共通の知人に紹介されたことがきっかけ。兵庫・加古川市出身で2月中旬には加古川市役所を訪問し、岡田康裕市長から「横綱になって」と激励された。昭和以降の同市出身力士では元関脇闘竜が最高位。179センチ、130キロの大器は「地元の人のためにも活躍したい」と意気込んだ。【佐藤礼征】 (ニッカンスポーツ・コム/バトルコラム「大相撲裏話」)

新序一番出世披露を終え、握手を交わす昨年の中学横綱の吉井(左)と全中準優勝の大辻(2019年3月14日撮影)
新序一番出世披露を終え、握手を交わす昨年の中学横綱の吉井(左)と全中準優勝の大辻(2019年3月14日撮影)