「K-1 WORLD GP 2015 70キロ初代王座決定トーナメント」(7月4日、東京・代々木第2体育館、日刊スポーツ新聞社後援)のスーパーファイトで、コンスタンティン・トリシンと対戦する「K-1 WORLD GP 2015 60キロ」初代王者・卜部功也が、インタビューに応じた。

 -4月大会ではK-1王者として初めての試合で、ハビエル・エルナンデスに判定勝利しました。あの試合を振り返っていただけますか?

 卜部 対戦相手がエルナンデスという強い選手だったのですが、倒して勝ちたかったです。自分がチャンピオンになった、ならない関係なしに攻めの姿勢を出そうかなと思ったのですが、少し守りに入る部分もあったのかなと思います。

 -王者としてのプレッシャーを感じていましたか?

 卜部 自分の中では関係ないなと思っていたのですが、あとあと考えれば(プレッシャーを)感じていたのかもしれません。

 -それはある意味、チャンピオンにしか味わえないことでもあると思います。前向きに捉えていますか?

 卜部 はい。チャンピオンになって初戦が大事なので、それをクリアできたことはすごく大きいと思いますし、次こそはもっと伸び伸びと戦おうと思います。

 -今大会ではウクライナのトリシンと対戦することになりました。トリシンにはどんな印象を持っていますか?

 卜部 すごくパワーがあってオーソドックスとサウスポーをどっちも使うので、すごくやりづらい選手だと思います。でも僕は敵地フランスでカリム・ベノーイと戦ったこともあるので、トリシンが相手でもうまく戦えるのかなって感じです。

 -1月にトーナメントで優勝して、スーパーファイトでエルナンデスに勝ったとなると、簡単に対戦相手が見つからない状況ですし、世界中から功也選手の首を狙う選手が続々と出てくると思います。これからはそういう相手を迎え撃つつもりですか?

 卜部 僕はまだまだ世界には強い選手がたくさんいると思うんですよね。前回も野杁(正明)君がマサロ・グランダーに負けているし、グランダーは日本では無名だったのに強かったですよね。Krushでも佐藤(嘉洋)選手にKO勝ちしたジョーダン・ピケオーがトーナメントの本戦に出場することになったし。そうやって世界には僕らが知らないだけでまだまだ強い選手はいると思うんですよね。K-1実行委員会のみなさんにはそういう選手を世界中から見つけて来てもらいたいと思います。

 -60キロの初代王座決定トーナメントは世界の強豪が集まったトーナメントでしたが、まだまだ未知の強豪はいると思いますか?

 卜部 絶対にいると思います。

 -今回の対戦相手であるトリシンはまさにそうですよね。

 卜部 はい。7年前に21歳の時にK―1 MAXに出て大宮司進さんに勝っていて、そのあともタイトルを幾つも獲得しているということは、あれからさらに強くなっていると思います。

 -功也選手のコメントにもあったように、トリシンはテクニックがあって馬力もあるという珍しいタイプの選手だと思います

 卜部 元IT’S SHOWTIME世界王者のセルジオ・ヴィールセンに勝った試合を見ても、フィジカルでガツガツつぶして勝っていたので、ああいう部分は厄介だなと思います。

 -今回も強豪を迎え撃つことになりましたが、功也選手に課せられていることはチャンピオンとして倒して勝つことだと思います

 卜部 チャンピオンとして満足せず、もっともっと試合内容を良くしていかないと。だから僕にとってはいいプレッシャーです。チャンピオンになっても、もっと進化しなきゃいけないという厳しい目標が出来たことは、さらに僕が強くなるきっかけになると思います。もっともっとお客さんに喜んでもらえるような試合をしていきたいと思います。

 -強い相手に勝つことと同じようにそのハードルも超えていきたいですか?

 卜部 やっぱりそこは超えなきゃいけないものだと思います。もう勝つのは当たり前なので、さらにお客さんを沸かせる試合をしなければいけないな、と。各階級に盛り上げる選手がいるので、60キロが薄れないように自分が頑張らなければいけません。

 -今大会では70キロの王者が決まります。また、65キロ王者ゲーオ・フェアテックスと55キロ王者の武尊選手も試合をします。K-1 WORLD GPの全階級の王者が勢ぞろいする最初の大会になるわけですが、他の階級のチャンピオンにライバル心はありますか?

 卜部 はい。60キロが舐められないようにしなければいけません。55キロには武尊、65キロにはゲーオと、本当に強くて魅力が選手がいるので、その中でも輝かなければいけいないので、そこは意識しています。

 -そこで功也選手はどんな試合を見せたいと思いますか?

 卜部 僕は“アンタッチャブル”(触ることが出来ない)というキャッチフレーズをつけてもらっているので、そこをしっかり見せたいです。とにかく相手には触らせない。相手に触らせないで自分が打ってきれいな勝ち方をするのがスタイルだと思います。相手に触れさせずにきれいにKOすることが目標です。

 -周りに「本当に試合したの?」と言われるくらいきれいな顔で試合を終わらせたいですか?

 卜部 そうですね。エルナンデス戦は1発だけ顔にパンチをもらったので、今回は1発も顔にパンチを当てさせません。

 ◆卜部功也(うらべ・こうや) 1990年(平2)6月8日、東京都江東区生まれ。43戦37勝(8KO)6敗。172センチ。チームドラゴン所属

 入場料金など詳細および問い合わせは、K-1=http://www.k-1wg.com/へ。