WBCスーパーフライ級王座に挑戦した江藤光喜(27=白井・具志堅)は、カルロス・クアドラス(27、帝拳=メキシコ)に0-3の判定で敗れた。

 7人目の沖縄出身世界王者は夢に終わった。江藤は最後まで王者に逃げられ、つかまえられず、見せ場もつくれなかった。「あんなに速いと思わなかった。当たらなかった。ボクシングで負け、期待を裏切った」。強打を空転させられ、ショックは大きかった。

 4回で0-3の採点公開も「焦りはなかった。落ちると思った」と織り込んでいた。6回にようやくコンビネーションで攻勢も、王者の足とスタミナは衰えず。プレスも逃げられ、空振りに終始した。

 ボクシングを始めたのは3兄弟で一番遅かった。双子の弟大喜(たいき)が高2で県を制し、チヤホヤとされるのに発奮して4カ月で優勝した。13年にはタイでの世界戦で、日本人18戦目にして初勝利。しかし、暫定王座に国内認定されず、正真正銘の王者をかけた決戦だった。

 具志堅会長は今年還暦で殿堂入りした。ジム20年目で4度目の挑戦にして悲願の男子世界王者がかかっていた。「逃げるのもボクシング。王者はよく練習していてうまかった」と、脱帽するしかなかった。【河合香】