世界ボクシング機構(WBO)世界スーパーフライ級王者の井上尚弥(22=大橋)が同級1位ワルリト・パレナス(32=フィリピン)を2回TKOで破り初防衛に成功、1年ぶりとなるリングで鮮やかな勝利を飾った。

 みじんの疲れも見せず「1年間うずうずして、練習死に物狂いでやってきた。その結果が出てホッとしてます。やっぱボクシング最高ですね」と喜びを表現した。今後に関しては「しばらくスーパーフライ級でやるんで、どんな挑戦でも受けたいし統一戦も。ファンの方が望む試合をしたい」と話した。

 序盤からブランクを全く感じさせない動きを見せた。1回、いきなり素早いコンビネーションでパレナスを翻弄し会場を沸かせた。2回、1分もたたずにワンツーからの右ストレート、ガードの上からの一撃でダウンを奪った。立ち上がったパレナスを待ちかまえるように追い込み、連打から右ボディで2度目のダウンを奪った。1分20秒、レフェリーがストップ。あっという間に試合を終わらせた。入場直前に場内特設ステージで行われた人気アイドルグループ「ももいろクローバーZ」によるライブからも力をもらった。

 井上は昨年12月、名王者ナルバエスを衝撃的なKOで下し日本人最短となる8戦目で2階級制覇を達成したが右拳を負傷。この試合が復帰戦だった。

 ◆井上尚弥(いのうえ・なおや)1993年(平5)4月10日、神奈川・座間市生まれ。小1でボクシングを始め、相模原青陵高1年でインターハイ、国体、選抜の3冠達成。アマ通算75勝(48KO)6敗で7冠。12年10月プロデビュー。14年4月のWBCライトフライ級戦で日本選手最速のプロ6戦目での世界王者に。14年12月には日本最短の8戦目で2階級制覇。163センチの右ボクサーファイター。両親、姉、弟の5人家族。