元世界6階級制覇王者マニー・パッキャオ(37=フィリピン)が「現役ラストマッチ」を勝利で飾った。

 元2階級制覇王者で、過去1勝1敗のティモシー・ブラッドリー(32=米国)と対戦。序盤から果敢に攻め込みペースをつかむと、7回には連打でダウンを奪取した。8回にブラッドリーの攻勢を受ける場面もあったが、9回には左のショートフックで2度目のダウンを奪った。KOこそ逃したが、3-0の判定(ジャッジ3者ともに116-110)で勝利した。

 リング上でインタビューを受けると「彼はタフだったが、私はプラン通り戦い、何とか生き残れた。これが最後の一戦だ。フィジカル的にはまだ戦えると思うが、フィリピンの人のために判断を下した」と話した。

 95年にデビューしたパッキャオは、98年に初の世界王座となるWBC世界フライ級王座を獲得。その後は階級を上げながら、ファン・マヌエル・マルケス、エリック・モラレス、オスカー・デラホーヤ、シェーン・モズリーらビッグネームと次々と対戦。鋭い踏み込みからの左ストレートを武器に勝利を重ね、アジアの無名選手から世界的なスターへと上り詰めた。引退後は母国での政治活動に専念するとしている。

 約21年間の現役生活を終えたパッキャオの戦績は58勝(38KO)6敗2分けとなった。