Aブロックで昨年の覇者棚橋弘至(39)が、4戦目にしてようやく初勝利を挙げた。バッドラック・ファレの巨体を生かした攻めに苦しみながら、最後は逆転の丸め込みで勝利。連覇へ崖っぷちから踏みとどまった。真壁が4連勝で単独首位。オカダが3勝目で続いている。

 4連敗の窮地から棚橋が生き返った。ファレに高々と抱え上げられ、絶体絶命のピンチから、必死に逃げ出し逆転の逆さ抑え込み。勝利の後、マットにのびた棚橋は、両手を突き上げた。長かった苦しみから解放され、試合後は得意のエアギターも飛び出した。

 「やったね。やっと1勝。一時は全敗とか悪いこともよぎったけど、世間の梅雨明けとともに棚橋の梅雨も明けました」と、ようやく戻った笑顔で話した。この日も、ファレから痛めている左肩を攻められた。それでも、欠場中に強化した心肺機能でスタミナが落ちることはなかった。

 試合後のリング上で、棚橋は「ちょっくら優勝してまた所沢に帰ってきます」とファンと約束した。3連敗からの巻き返しは厳しい道のりだ。それでも「これから全員抜かして、優勝します」と高らかに優勝宣言をしてみせた。