ボクシングのWBC世界スーパーバンタム級王者長谷川穂積(35=真正)が9日、神戸市内で現役引退を表明した。世界王者のまま引退するのは国内では初めて。9月に5年5カ月ぶりに世界王座に返り咲き、現役を続ける考えもあったが、希望していた王者のままリングを去ることを決断した。今後は実業家や指導者への道を模索する。勇敢な打ち合いで魅了したレジェンドが、プロ17年間の現役生活に終止符を打った。

 元WBC世界バンタム級王者の辰吉丈一郎は、長谷川の引退を知ると「なんで?」と驚いた。98年12月に辰吉が敗れたウィラポンから、05年4月に王座を奪ったのが長谷川だった。何度も長谷川の試合を観戦した辰吉は「3階級制覇もすごい功績、自慢していいんちゃう。胸張っていい。体もガタがきてると思うしよく頑張ったとしか言いようがない」とねぎらった。