元王者で同級１位三浦隆司（３２＝帝拳）が、同級２位ミゲル・ローマン（３１＝メキシコ）を１２回５３秒ＫＯ勝ちで下した。

　「ボンバーレフト」の異名を取る強烈な左だけでなく、的確な右のパンチも披露した序盤だったが、中盤からは劣勢に。小柄をいかして至近距離から回転力あるパンチをまとめるローマンに苦しむ場面が目立った。

　「中盤、スコアで負けていると感じていたので１０、１１ラウンドは倒すのを意識して前に出た」と左が火を吹いたのは１０回。ラウンド終了間際にブロックの下をいく低空の左ボディーを右脇腹に埋めると、ローマンは頭からマットに突っ込んでもん絶。一気に試合の流れを引き寄せた。

　続く１１回にもロープ際に追い詰めてダウンを奪うと、試合を決めたのはやはり左。１２回にショートレンジの左ストレートで顔面をとらえて、たまらずにふらついたところに左右をまとめて、１０カウントを聞かせた。「ダウンが取れて良かった」。勝ち名乗りを受けると、安堵（あんど）したように１つ息を吐いた。

　王座陥落したのが１５年１１月の米国のリングだった。再び世界の頂きに登るため、米国の地で重要な勝利を挙げた。この日のメインでは王座を奪われたバルガス（メキシコ）が敗れ、ベルチェルト（メキシコ）が新王座についた。次戦はこの２５歳の新鋭との試合が期待される。