ボクシングの大橋ジム期待のホープ、中嶋一輝(24)が31日、後楽園ホールでプロテストに臨んだ。

 アマ戦績は72勝(30KO)15敗で、今春卒業した芦屋大4年で関西リーグMVP、3年では国体も制した有望株。課題の3回のスパーリングでは、右利きのサウスポーで「自信がある」という右フックなど、パワーとテクニックを十分に発揮した。バンタム級を主戦場に、6月25日にプロデビュー戦、8月30日にプロ2戦目を予定する。

 「緊張しました」と、中学生以来の「聖地」後楽園ホールのリングでのテストを振り返った中嶋。目標にしているのは「キューバのボクサー」で、特に16年リオデジャネイロ五輪で、五輪2連覇を達成したロベイシ・ラミレスの動きを研究している。「同い年は悔しい。しっかりガードができて、足も使えて、伸びきったところでパンチを当てられる」と目指す特徴を挙げた。

 入門した大橋ジムには、同学年にもう1人、「大物」がいる。2階級制覇の現WBO世界スーパーフライ級王者井上尚弥(24)。小6でボクシングを始め、右構えを左に変更した理由が、「中1の時に最初の試合で(井上に)ボコボコにされて、右ではダメだなと思った」から。「ナオヤ世代」の雄として、切磋琢磨(せっさたくま)の日々を送る。

 プロデビュー戦に向けては、ガードを中心に腕を磨いてきた。「たくさん楽しんで見てもらえる、面白いボクサーになりたい」と言葉に力を込めた。