王者赤穂亮(31=横浜光)が逆転TKOの冷や汗初防衛となった。

 タイトル初挑戦の同級1位斉藤裕太(29=花形)を序盤から強打で圧倒も、5回にダウンを喫してリードされた。その後は強打で攻め続けて、レフェリーストップによる9回1分13秒TKO勝ちとなった。

 2度世界挑戦している赤穂が初回から攻勢だった。大振りの強打を打ち込んでリードする。ところが、3回に左フックをアゴにもらってふらついた。5回にはローブローで減点をされるが攻めた。ところが、左フックをもらってダウン。立ち上がったものの、この回での途中公開採点では0-3とリードされた。

 それでも赤穂は6回以降も強打の攻勢は緩めなかった。8回には斉藤の左まぶたの傷も広がった。9回に右ストレートから連打を見舞うと斉藤が前かがみになり、レフェリーがストップした。

 「想定外ばかりのことが起きて、弱気になった。採点でもリードされ、途中で負けるかと思った」と赤穂に笑顔はなかった。6月には親交ある元世界5階級制覇王者ノニト・ドネア(フィリピン)とスパーリングなどで合同練習し、さまざまなアドバイスを受けた。リングサイドで観戦に「ドネアもいたので」と師匠の存在に助けられた。