WBC世界バンタム級1位山中慎介(35=帝拳)が、前王者ルイス・ネリ(23=メキシコ)にTKO負けした。2回1分3秒、この日4度目のダウンを喫しての完敗だった。ネリは前日計量で大幅な体重超過となり、王座を剥奪されていた。このため王座は空位となる。
山中は試合後、涙を流しながら控室へ戻った。
- 2回KO負けの山中は、喜ぶネリを背に手を合わせて謝る(撮影・浅見桂子)
WBC世界バンタム級タイトルマッチ12回戦
山中は無念…ネリにKO負け
前王者ルイス・ネリ(23=メキシコ) | ○ | 2回TKO | ● | 挑戦者山中慎介(35=帝拳、同級1位) |
【1回】山中は積極的にジャブを打っていく。ネリは鋭いフットワークでかわす。30秒すぎ、山中の鋭いパンチが出る。体調は良さそう。1分10秒、左ストレートをボディーに決める。1分30秒、ネリの鋭い左右パンチが山中のボディーに入る。2分30秒、ネリのカウンターが決まり、山中ふらつく。2分40秒すぎ、ネリの強烈なパンチが決まり、山中がダウン。
【2回】ネリが前へ出てくる。18秒、ネリのカウンターパンチが決まり、山中ダウン。38秒、山中は再びダウン。1分3秒、ネリの強烈な左右のパンチが決まり、戦意喪失の山中は3度目ダウン。一方的な展開でTKO負けした。
- 2回 山中はネリに強烈なパンチを浴びKO負けする(撮影・浅見桂子)
- 2回、ネリのパンチを食らいダウンする山中(撮影・小沢裕)
- 2回、3回のダウンでTKO負けとなる山中(左)。右は勝利を喜ぶネリ(撮影・狩俣裕三)
- 2回、ネリにTKO負けし、号泣しながらリングを去る山中(中央)(撮影・狩俣裕三)
- 試合後の会見で大粒の涙を流す山中(撮影・狩俣裕三)
<コメント>
◆山中「今後…、これがもちろん最後です。終わりです。どんな結果であろうがこれが最後と思っていました。これまで必死に応援してくれた皆さんに感謝しかない」
■■■■現役引退を表明■■■■
- 8回 岩佐はサウロンに強烈なパンチを浴びせる(撮影・浅見桂子)
IBF世界スーパーバンタム級王者岩佐亮祐(28=セレス)が、挑戦者の同級13位エルネスト・サウロン(28=フィリピン)を3-0の判定で下し、初防衛戦した。
IBF世界スーパーバンタム級タイトルマッチ12回戦
岩佐が初防衛!
王者岩佐亮祐(28=セレス | ○ | 判定 3-0 | ● | 挑戦者エルネスト・サウロン(28=フィリピン、同級13位) |
【1回】岩佐は1分10秒すぎ、鋭い左ストレートを決める。サウロンは後退。1分40秒すぎにも再び左ストレートが決まる。1分55秒すぎ、左パンチを連続して当てる。サウロンはパンチが出せない。
【2回】1分5秒、岩佐の左ストレートが決まる。1分35秒、サウロンがボディーめがけてパンチを打ち込むが、岩佐が下がってかわす。その後は互いに様子見でラウンド終了。
【3回】15秒、岩佐のショートアッパーが相手のアゴへ。サウロンのパンチは岩佐がかわす。鋭い動体視力「イーグルアイ」で打たせない。1分45秒、岩佐のパンチが相手ボディーに決まる。2分45秒、左の重いパンチで相手を後退させる。
【4回】サウロンが前へプレッシャーをかけてくる。岩佐も前へ出て体で受け止め、パンチを打たせない。1分45秒、岩佐の左ストレートにサウロンはたまらず後退。サウロンの大振りパンチは当たらない。
【5回】互いに少し離れた距離感での戦いとなり、有効なパンチがないまま時間は経過。岩佐は1分50秒、相手へ左ストレートを見舞う。2分20秒すぎには右ボディーが決まる。
【6回】20秒、岩佐はサウロンの左ストレートを下がってかわす。2分、コーナーポスト近く、岩佐の左ストレートがサウロンの顔面をとらえた。サウロンのアゴが上がった。岩佐が優勢。
【7回】サウロンが前へ出る。手数が増えてきた。50秒すぎから岩佐が連続して力強い左ストレートを繰り出す。サウロンは後退する場面が増えた。2分10秒すぎ、岩佐の連続パンチが相手顔面へ。岩佐は落ち着いた様子で一発を探るが、その後は有効打が出ない。
【8回】サウロンがじわじわ前へ出てくる。1分すぎ、岩佐の左フックが決まる。2分、サウロンが連続パンチで攻勢に出る。岩佐はクリンチ。2分50秒、サウロンの右ストレートが岩佐の顔面にヒットした。
【9回】20秒、サウロンが岩佐のボディーへ連続パンチを決める。岩佐はたまらずクリンチ。2分すぎ、サウロンの連続パンチは、岩佐が冷静にかわす。2分30秒、サウロンの強いパンチが岩佐のボディーへ決まる。
【10回】開始から岩佐が左で連続パンチを決める。サウロンも負けじと前へ出てくる。両者の意地が激しくぶつかる。1分すぎから互いに距離を取り、ジャブで応酬する。有効打は出ない。2分10秒すぎ、サウロンが前へ出て連続パンチ。岩佐が微妙にずらす。
【11回】前へ出るサウロン、下がりながらかわす岩佐。50秒すぎ、岩佐の左フックが相手ボディーへ。1分10秒、岩佐の左カウンターが決まる。サウロンは顔が浮く。1分30秒すぎから岩佐が足を止めて連続パンチで攻勢に出る。サウロンはふらつく、だが粘る。サウロンは苦し紛れのクリンチ。岩佐ペースも一発が出ない。
【12回】互いに慎重な入り。岩佐は1分すぎから左右のコンビネーションで試合をつくっていく。サウロンは最後の力を振り絞り応戦する。2分、岩佐の左ストレートがサウロンの顔面にヒットする。残り30秒、サウロンがクリンチ。2分47秒、岩佐の左ストレートが相手顔面にクリーンヒットする。
【判定】3-0で岩佐が勝利する。
- 4回、サウロン(左)に左パンチを放つ岩佐(撮影・小沢裕)
<コメント>
◆岩佐「見ての通り、スーパーバンタム級最弱のチャンピオンです。ただ最低限の勝つということはできた。求めているものは僕も会長ももっと高いところなので」
■■■■さらなる王座防衛誓う■■■■