ボクシングのWBA世界ミドル級王者村田諒太(32=帝拳)の米国凱旋(がいせん)計画が明らかになった。同級8位エマヌエーレ・ブランダムラ(38=イタリア)を迎える4月15日の横浜アリーナで初防衛を果たせば、秋には米ラスベガス・MGMグランド・ガーデンアリーナで2度目の防衛戦を行う。帝拳ジムの本田明彦会長(70)が22日、「9月か10月にMGMでやる」と明言した。

 五輪金メダリストとして日本人初の世界王者を戴冠したのが昨年10月。世界的に最も層が厚いとされるミドル級に生まれたアジアの雄に対し、世界も注目する。V1戦のスポンサーに名乗りを上げたのが世界的にリゾートホテル経営も手がけるMGM社で、今秋にラスベガスの自社会場で試合を行う構想を練る。

 世界最大規模のメガリゾート「MGMグランド」内にある1万6800人収容のアリーナは、現在はボクシングの中心地となっている。90年代にマイク・タイソンで有名となり、97年の世界戦でホリフィールドの耳をかじった場所。00年以降は「世紀の一戦」パッキャオ対メイウェザーなどのビッグマッチに使用され、本場米国での「聖地」と言える。

 村田はすでにその場所で試合を行っている。16年7月の興行の前座に登場。元WBC米大陸同級王者ジョージ・タドニッパ(米国)から初回に左ボディーでダウンを奪うと、再開後に連打を浴びせて、1回TKO勝ちした。当時「近い将来、世界タイトルが出来るように頑張っていきたい」と宣言したその場所に、今回は王者として帰還することになる。

 対戦相手については、同会長は「米国人とやりたい」と望んだ。海外ではリオデジャネイロ五輪銀メダルのファルカオ(ブラジル)と夏ごろの試合なども報道されてきたが、「やらない。(4月の防衛戦から)3カ月では短い」と述べた。