IBF世界スーパーバンタム級王者岩佐亮佑(28=セレス)が、V2失敗で王座から陥落した。

 初回に同級1位TJ・ドヘニー(31=アイルランド)の右ほおをカットさせたが、その後は左カウンターをもらい、手数でも劣った。11回のチャンスも攻めきれず、2、4、5ポイント差の0-3で判定負けした。鬼門と言われたサウスポー相手に初の指名試合をクリアできなかった。これで日本人の男子世界王者は5人となった。

 滑り出しはよかった。初回にパンチで右ほおから流血させた。それが2回以降は守勢で手数も出なくなった。プレスをかけてくる予想が外れ、距離をとられ、左カウンターを浴びた。右ジャブから攻める作戦も駆け引きで引き込まれた。

 「ガンガンくると思った。距離が遠く、ジャブが当たらず、単調になった。予想以上にうまかった」。岩佐は脱帽するしかなかった。小林会長は8回から「倒さないと勝てない」とゲキ。11回に左ストレートから連打でチャンスをつかんだ。相手はぐらついたが、クリンチに両者がもつれてスリップダウン。結局は「ごまかされて」ダウンも奪えなかった。

 小林会長も世界再挑戦で王座につき、V2戦で全勝相手に負けて陥落した。愛弟子も同じ道をたどり、V2の壁を越えられなかった。岩佐は「大きな壁だった。ショックもこれが現実で実力不足。今はまた頑張ろうとは…。考えたい」と話した。