「平成の竜馬」が世界を驚かせる。ボクシングIBF世界スーパーバンタム級10位高橋竜平(28=横浜光)が12日、同級王者T・Jドヘニー(32=アイルランド)との世界戦に向け、成田空港から出発した。

平成の竜馬になるようにと、両親に竜平の名をもらった高橋は「ドヘニーは手ごろな相手と思っていると思うが、なんでこんなやつ連れてくるんだよ、と後悔させたい」。ニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンの大舞台で番狂わせを起こし、その名を世界にアピールするつもりだ。

空港で記者10人に囲まれると「こんなに来てくれるとは…。1人が最高です」と初々しく取材に応えた。ボクシング部のない新潟・加茂暁星高1年から競技を始め、東洋大では準レギュラー。12年のプロデビューもKOと光の当たらないボクサー人生を歩んできた。転機は昨年10月。IBFのランキングが14位から10位に上がったことで「世界をイメージするようになった」。昨年12月はじめに世界戦の話が届き、正式決定したのは試合1週間前の今月11日。急きょ時差調整を行うなど準備はバタバタしたが、心構えをしていただけにコンディションは万全という。持ち前の予測不能の動きで「引っかき回して、“高橋ワールド”にしたい」と自信たっぷりに語った。

昨年9月に結婚したばかりの妻沙也さん(25)も応援に駆けつける。昨年11月末から12月にかけて行った2週間の米国・ロサンゼルス合宿では、最後の3日間を新婚旅行とする予定だったが、この世界戦の話が舞い込んだため、急きょキャンセルとなった。「勝ったらハネムーンします」と、妻とのV旅行を思い描いた。