<プロボクシング:WBC世界フライタイトルマッチ12回戦>◇26日◇東京・ディファ有明<1回>内藤がワンツーを打ちながら前に出る。フェイントを入れ、左ジャブを突き、先手で攻める。スピードは十分で動きも軽い。熊は低い体勢から力強い左フックを狙ってくる。お互いにクリーンヒットはなかった。<2回>内藤が左フックを打ち始めた。ワンツーから返しのパンチだ。しかし熊の体が小さいためか、的確にパンチが当たらない。熊は鋭いステップインから左右フックの攻撃。終盤にやっと内藤の右アッパー、右フックがヒットした。<3回>内藤が熊の足を止めるために左ボディーを打ち始めた。ノールックのパンチが脇腹をとらえる。熊も勇敢だ。内藤がパンチを出してきた瞬間にカウンターの左フックを狙う。強いパンチを2発当てて王者をぐらつかせた。<4回>内藤の前進が止まり、逆に熊が前に出始めた。王者にプレッシャーをかけ、突き上げるような左右フックを振るう。ボディーへのパンチをブロックしてカウンターを顔面にたたきつけた。内藤のパンチは空を切り、偶然のバッティングで左目尻をカットした。38-37、39-36、、39-36で内藤がリード。<5回>内藤がフットワークを使う。左右にステップを踏み、距離を取り始めた。熊が強引に出てきたところに右のショートカウンターがヒット。しかし、右目の上もバッティングでカットした。両目から流血の王者だが、終了間際に再び強い右を当てた。<6回>内藤がフェイントを多用してクリーンヒットを狙う。足で、右拳で、目で熊のガードを崩そうとする。しかし、体がもつれた次の瞬間にスイング気味の右フックを顔面に浴びてダウン。8カウントで立ち上がり、何とか猛攻をしのぎ切った。<7回>内藤が熊を迎え撃つ。動きを良く見てパンチをかわし、カウンターを狙う。右を外して右ショートフック、左をかわして再び右ショートが決まると熊の上体が大きく揺らいだ。ダウンを奪われた直後の回にしっかりダメージをお返しした。<8回>内藤の振り下ろすような右フックが決まった。低い体勢から飛び込んでくる熊の動きに合わせる強いパンチだ。それでも熊はタフ。ロープ際で密着した瞬間に右フックをアゴに返して王者をぐらつかせる。内藤はクリンチでピンチを脱した。75-74、75-74、76-73で内藤がリード。<9回>内藤が足を使う。右アッパー、右フックをコンパクトに繰り出す。熊は内藤の打ち終わりを狙って左右フック連打で対抗。内藤の右ボディー、顔面へのストレートが決まった。左ジャブもヒットした。だが、熊のパワーは衰えない。<10回>内藤の両目からの出血は止まっている。攻めのパターンも変わった。フック、アッパー、フックと右のパンチが主体になった。距離が遠くなると左ジャブで突き放す。右アッパー、フック、熊の左にかぶせる右フックも顔面をとらえた。<11回>内藤が時計回りに足を使う。右をコンスタントにヒットする。さらにボディー連打から顔面にパンチを返した。まだスピードも残っている。終盤に熊の右をもらったが、連打は許さなかった。<12回>内藤が熊の攻撃をかわす。足を使い、上体を揺すって空振りを誘った。強引に出てくるところに右カウンターをヒットすると熊のヒザが折れそうになった。それでも熊はあきらめずにパンチを返してきた。内藤の右まぶたからは再び流血。大苦戦の試合は判定に持ち込まれ、113-111、114-111、114-110。3-0で内藤が辛くもV5に成功した。