<プロボクシング:WBC世界スーパーフライ級タイトルマッチ12回戦>◇5日◇大阪・大阪府立体育館○王者・トマス・ロハス(30=メキシコ)35勝(23KO)12敗1分1無効試合

 判定×同級7位・名城信男(29=六島)14勝(9KO)3敗1分<1回>

 名城は、序盤から攻めの姿勢を見せる。前に出ながらジャブを当てていく。ロハスは右リードパンチを上手く当てていく。静かな立ち上がりとなった。<2回>

 名城は、右ショートから前に、ロハスは右リードから攻めを作る。互いに、リードパンチから踏み込むが、ガードが堅い。終了間際に名城の右がヒット。<3回>

 名城は、低い姿勢から先にパンチを繰り出し、ペースをつかむ。右ジャブから左フックで、ロハスをコーナーに追い詰めるシーンも見られるなど、積極性が目立つ。ロハスのアウトボクシングに上手く対応している<4回>

 名城は、この回も左ジャブから前に出て行く。ロハスは、名城の低い姿勢に戦いにくそうだが、時折見せるアッパーは威力がある。名城も巧みなステップワークでかわす。4回を終えて、手数は名城だが2-0でロハスがリード。<5回>

 名城は変わらずに前に出て行くが、リーチで12センチ以上上回るロハスは、アウトボクシングに徹底し、懐に入れさせない。名城が終盤に左ボディから連打で攻勢を仕掛けるが、ゴング。<6回>

 セコンドからも指示が出て、名城は積極的に手数を出していく。しかし、ロハスが巧みなステップワークでかわし、なかなか攻め手をつかめない。この回も名城が終盤にラッシュを見せるが、ゴング。<7回>

 序盤のポイントリードからロハスが自分のペースに持ち込みつつある。名城陣営からは、「力みがある。もっとリラックス」との声も。名城が打たれ、やや後ろに下るシーンが目立ってきた。<8回>

 ロハスがリングを大きく使いながら、アウトボクシングに徹底。名城はなかなか攻め手を見つけられない。名城にバッティングで減点1。8回を終えてもロハスがリード。<9回>

 リードを許した名城陣営からは「(KOを)狙え」の指示も。右ボディからコーナーに追い詰めるシーンも見られるが、追い込めない。打ち合いに持ち込みたい名城だが、プロ49戦目のロハスの試合巧者ぶりが目立つ。<10回>

 「これがラスト」と決意を語った名城は、残り3回に勝負をかける。リードパンチはあたるが、連打が続かない。ロハスが巧みに距離を取りながら、試合を淡々と進めていく。<11回>

 ややスタミナに不安のあるロハスは、距離を取りながらアウトボクシングに徹底。後のない名城が、前に前に出て行く。場内からは「名城」コールもわき上がる。終盤、足を止めて打ち合うが、ロハスは巧みなクリンチで逃げ切った。<12回>

 KOしかない名城は、プレッシャーをかけて、パンチを繰り出す。しかし、ロハスはリズミカルなバックステップで距離を取り、名城に有効打を打たせない。ロハスの完全に逃げ切るボクシングに対して、名城は追い続けるが、攻めきることができずにゴング。勝負の行方は判定に持ち込まれたが、最後まで自分のペースを崩さなかったロハスが3-0(114-113、116-113、116-111)の判定で、初防衛に成功した。名城は最後まで攻め続けたが、試合巧者の王者を崩しきれなかった。