<プロボクシング:WBA世界女子ミニマム級王座統一戦10回戦>◇17日◇大阪・よみうり文化センター千里中央

 多田悦子(29=フュチュール)が最大6ポイントの大差がつく完勝で、日本女子最多に並ぶ5度目の防衛を果たした。力量を警戒していた暫定王者を下し、王座統一。多田は「中南米では私の名前は知られていない。負けたくない気持ちはあった」と誇った。

 パワフルな相手に対し、持ち前のスピードを生かす作戦に徹した。素早く懐に出入りし、上下に打ち分ける。強引に前に出てくるタイミングを見透かした左のカウンターも有効だった。「圧力に押されてもパンチはもらってない」と言うように、終始ペースを握った。

 昨年4月の3度目の防衛戦で骨折した左手人さし指がようやく完治し、強打を交えた内容は見応え十分だった。使命は女子ボクシングを広めることと自覚する王者は「面白くない試合で防衛を重ねても仕方ない。まだ出し切れていないし、まだいけるなという感覚がある」と一層の成長を期した。