腎臓がんを克服したノアの小橋建太(41)が3日、都内で行われた「腎癌研究会第1回市民公開講座」にゲスト参加し、280人の受講者に自らの経験談を伝えた。主治医の中井川昇医師との対談形式で行われ、がんを告知された時の心境、日々を大切に生きたいと日記を書き始めたことなど約30分間、熱く語った。対談後、小橋は「熱心に聞き入ってくれているのを感じた」と神妙に振り返った。

 受講者にはがん治療中の患者、その家族、腎臓摘出手術を受けた人も多かった。夫ががんで闘病中という東京都在住の70代の女性は「感激しました。プロレスのことはわからないが、言葉に尽くせない苦しみがあったと思う。復帰したいという意志の強さが大切だと痛感しました」。慢性腎炎を患っている40代の男性は「復帰戦も涙して見てました。今日あらためて元気をもらいました」と話した。

 講座終了後には、感激した医師たちからも「ありがとうございました」と握手を求められた。中井川医師は「腎がんでも大丈夫ということを身をもって示してくれる。小橋さんには、直接かかわっていない先生方も感謝しています」としみじみ話した。【塩谷正人】