ノアに激震、百田相談役が辞表提出
ノアの百田光雄相談役(60)が7日、都内のノア事務所で田上明新社長(48)に辞表を提出した。6日の役員会、臨時株主総会で、小橋建太(42)の社長就任を提案し、受け入れられなかったことが理由。自身も副社長から相談役に退いたが、新体制発表から一夜明けて、会社を辞める決断をした。田上新社長は辞表を受け取らず、保留とした。百田相談役は故力道山の次男で、00年のノアの旗揚げから前社長の三沢光晴さん(享年46)を支え続け、4日のお別れ会では実行委員長も務めた。三沢さんの死を乗り越えて、新たな1歩を踏み出した直後に、ノアに再び衝撃が走った。
百田相談役はこの日、ノア事務所に出社すると、田上新社長に突然辞表を提出した。田上新社長は「残ってほしい」と慰留し、辞表は受け取らなかったという。しかし、百田相談役の決意は固かった。報道陣の前で「自分が思う道ではないので辞表を提出しました。自分が社長になれなかったからではない」と話した。
辞意の理由は小橋が新社長にならなかったことだという。6日の役員会、臨時理事会で、副社長の立場から小橋の新社長昇格を提案した。団体存続へ「一番頑張っている人がトップになるのが大事」と主張。トップ選手で、練習でもみんなに手本になる小橋を推した。しかし、会社の株を半分以上持つ筆頭株主でもある三沢さんの遺族の要望で、新社長は田上に決まった。
百田によると役員会前の6日朝に、保恵夫人に「小橋が社長にならなかったら会社を辞める」と伝えていたという。辞意を伝え聞いた小橋から、この日の午前中に「考え直してほしい」と電話で慰留されたが、「田上は好きだが、小橋じゃなきゃ辞めるという意思は変わらない」と固辞。本人は明かさないが、これまでの団体内の人間関係も複雑に絡み合っている可能性もある。
現在60歳9カ月の百田は「日本プロレスの父」と言われる故力道山の次男。日本、全日本を経て、ノアに参戦。全日本時代の後輩の三沢さんを副社長として支えてきた。「(三沢)社長には世話になった。お別れ会を滞りなく終えたことが、最後の恩返しかな」。一方で「61歳10カ月でリングに上がった(ラッシャー)木村さんの記録を破ってから引退したい」と現役は続行するという。
6日の新体制発表会見で田上新社長は、三沢夫人の真由美さんから「選手がバラバラにならないように」と電話で依頼されたことを明かした。それからわずか1日。現時点で百田に追従する選手はいないが、三沢さんの人望と強いリーダーシップで築き上げた一枚岩が、早くも重鎮の辞表提出という形で揺らぎ始めた。【塩谷正人】
[2009年7月8日9時8分 紙面から]
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