<新日本:東京大会>◇15日◇両国国技館◇8800人

 真壁刀義(36)が大逆襲でG1クライマックス(G1)3年連続予選リーグ突破を決めた。宿敵矢野通(31)をトップロープからのキングコングニーで撃破。3戦終了時2敗1分けのがけっぷちから3連勝ではい上がった。試合後「おれが終わりだと思ったやつ何人いた。そう言われると燃えてくんだよ。腹の底から力がわいてくんだよ」と叫んだ。

 開始3分、金づちで頭部を強打され流血。矢野の必殺技「裏霞」「鬼殺し」を立て続けに食らいピンチに陥った。だが、追いつめられると真壁は強い。10分すぎ、矢野から奪ったチェーンをまいたラリアットで反撃。最後はスパイダージャーマンからのキングコングニーにつなぎ、今年1勝1敗の宿敵と決着をつけた。

 4月に知人から栄養士を紹介された。巡業が続くと疲労が取れにくいと相談。食生活を管理するA4の用紙20ページに及ぶアドバイスブックを渡された。それを参考に、真壁は試合1時間前、試合直後におにぎりを食べ始めた。血糖値を維持するために炭水化物を摂取するカーボローディング。「実際やったら疲れが取れやすくて調子いいんだよ」。今回のG1でも、おにぎり作戦を続ける。

 勝ち点7で並んだ棚橋とは、G1史上初のコイントスで順位が決定。1位通過となり16日の準決勝でノア杉浦貴(38)と激突する。「杉浦、上等だこの野郎。だれが相手だろうが、おれの邪魔はさせねえ」。初優勝に向け、真壁の叫びは止まらなかった。【塩谷正人】