アジア人初の5階級制覇を達成したWBO世界ウエルター級王者マニー・パッキャオ(31=フィリピン)が25日、元5階級王者のフロイド・メイウェザー(32=米国)らを名誉棄損で訴える考えを自身の公式サイトで明かした。メイウェザー陣営からのステロイドなど禁止薬物使用の非難に対抗したもの。パッキャオは使用を否定し「単なる試合前の駆け引きではなく、彼らは度を超えている」とコメントした。

 パッキャオが11月に5階級制覇達成後、2人の対戦が浮上。ヤンキースタジアムが会場に名乗りを上げるなど、NFLのスーパーボウル級のイベントとして注目された。3月13日の開催で計画が進められたが、ドーピング検査の方式で対立。プロモーターが設定した期限の24日に合意できなかったことで、試合中止の方向に向かっている。

 ボクシングでは通常、試合前後の尿検査が行われるが、メイウェザー陣営が血液検査を含む、世界反ドーピング機関(WADA)方式を主張。パッキャオ陣営も尿と血液の両方を受け入れる姿勢だったが、試合前の早い段階での検査は拒否。禁止薬物使用の疑いでメイウェザー側からの攻撃を受けていた。

 パッキャオは声明でメイウェザーに対し「逃げ腰にならず、でかい口をふさいでリングでオレと向き合え。リングの王者が誰か、世界に見せようじゃないか」と呼びかけたが、リングの前に法廷で対決することになりそうだ。