スーザン・ボイルにはポスト・パバロッティで対抗だ!

 大みそかの「Dynamite!!」を主催するFEGは29日、世界的オペラ歌手の佐野成宏(44)が、石井慧(23=アイダッシュ)-吉田秀彦(40=吉田道場)戦前に君が代を独唱することを明かした。世界3大テノール歌手の1人、故ルチアーノ・パバロッティ(イタリア)の師である故アリゴ・ポーラに師事、「光り輝く声」と呼ばれるテノールで、欧州などで大活躍する。視聴率争いの最大の敵、NHK紅白歌合戦に出演する英歌手スーザン・ボイル(48)に、看板カードだけでなく、美声でも勝負する。

 美声には美声で対抗する。視聴率で「打倒紅白歌合戦」を掲げる「Dynamite!!」が、ボイルに負けない超大物「対抗馬」を準備した。世界的オペラ歌手の佐野が、石井-吉田戦前のリング上で君が代を独唱する。「ボイルにも十分、対抗できる。柔道金メダリスト対決前に、厳粛な雰囲気も演出したい」と関係者は明かした。

 今年の「Dynamite!!」は、石井-吉田戦、魔裟斗引退試合の2大看板カードで、悲願の「視聴率紅白超え」に自信を見せていた。ところが、NHKがボイルの紅白出演を発表して、雲行きが怪しくなった。谷川貞治イベントプロデューサー(EP)も「これは脅威です。やられました」と話していた。以来、ボイルの登場と看板カードのテレビ放送時間が重なった場合の対抗策に頭をひねっていた。

 「奇跡の歌声」と呼ばれるボイルに対し、佐野は「光り輝くテノール」の異名を取る。あのパバロッティ国際声楽コンクールで上位入賞を果たし、本場イタリアをはじめ欧州で活躍中。今年4月には「天皇皇后両陛下ご成婚50周年ご即位20周年記念祝賀コンサート」で、「オペラアリア」も披露した。話題性ではボイルに劣るものの、実力と実績でははるかに上。まずは美声で視聴者をくぎ付けにして、看板カードに突入するつもりだ。

 昨年はK-1甲子園の試合前に天才演歌少女さくらまや(11)が君が代を独唱した。ところが、そのさくらは今年の紅白の「子供紅白対決」に出演することになった。これに谷川EPは「これは紅白の引き抜きですよ」と、悔しさをにじませていた。決戦まで、あと1日。試合カードだけでなく、歌でもライバルを見返す「切り札」ができた。