3階級制覇王者のWBO世界バンタム級王者フェルナンド・モンティエル(31=メキシコ)が、WBC同級王者長谷川穂積(29=真正)に宣戦布告した。30日のダブル世界戦(東京・日本武道館)に向けて22日、都内で練習を公開。長谷川が製作した「お前は小さい王者」と記した挑発Tシャツに対抗、「お前がでかいか見てやるぜ」と書いたTシャツを披露した。事実上の「王座統一戦」に向け、早くも一族13人がボクサーというサラブレッドの闘志に火が付いた。

 長谷川はユーモアのつもりだったのかもしれないが、現役3階級制覇王者のプライドは許さなかった。会見中、モンティエルは白いTシャツを手にした。そこにはスペイン語でこう記されていた。「長谷川、お前は世界のチャンプなのか、家の中だけのチャンプなのか?

 お前が言うほどお前がでかいのか見てやるぜ」。

 19日の来日後、モンティエルは長谷川が「おれはお前が小さい王者って知ってるぞ!」と挑発するTシャツを作ったことを知り、Tシャツにマジックを走らせたという。「怒りを感じた。『必ず負かしてやる』って頭に浮かべて書いたよ。なおさら戦う意欲を持てたね」。笑顔だが目は笑っていなかった。

 長谷川にとって11度目の防衛戦で最大の刺客になる。過去3階級以上を制覇して日本人との世界戦のために来日したのは、4階級制覇王者レオ・ガメス(ベネズエラ)と3階級制覇王者ウィルフレド・バスケス(プエルトリコ)のみ。モンティエルもそんなスーパー王者の1人。長谷川とどちらが格上かと聞かれると「私の方が優れていることを見てもらいたい」と語気を強めた。公開練習はシャドーボクシングと縄跳びで終了。手の内を隠したが、練習を見た元WBC世界スーパーライト級王者で帝拳プロモーションの浜田剛史代表は「バランスがパーフェクトで攻める気持ちもある。長谷川の防衛戦で最も危険な強敵」と高評価した。

 モンティエルは自宅兼ジムを持つマネジャー兼チーフトレーナーの父マヌエル氏(60)の四男として生まれた。初めて歩いたのはリングの中で、一族13人がボクサーという華麗なる一族の出世頭。マヌエル氏は「彼は王者になるために生まれてきた。どんな形でも勝つ」と明言。モンティエルは「子どものころからWBCのベルトは欲しいと思っていた。私がこのベルトを持って帰る」。世紀の「統一戦」の火花が早くも飛び散り始めた。【浜本卓也】