<プロボクシング:ライトフライ級ノンタイトル10回戦>◇25日◇大阪府立体育会館◇観衆8200人

 元高校アマ6冠の井岡一翔(21=井岡)はアルバート・アルコイ(フィリピン)との世界前哨戦に9回TKO勝ちし、日本人最短の6戦目での世界王座獲得へ、WBC世界ライトフライ級王者オマール・ニーニョ(メキシコ)への年内挑戦実現に動く。

 勝利のリングで井岡が高らかに公約した。「次の6戦目で絶対に取りたい。日本最短記録で世界を絶対に取るんで、応援よろしくお願いします」。

 元高校アマ6冠のエリートの才能を見せつけた。ジャブからボディーと左を打ち分け、効果的に右を当てる。クリンチに逃げるアルコイを引きはがし、左右のショートをたたき込む。7回終了後にはセコンドに「次行きます」と宣言。8回KOは逃したが、9回に右ストレートを決めた場面で、レフェリーが止めた。

 元世界2階級覇者のおじ弘樹会長は「相手はタフやったし、僕は『もう判定やなあ』と思ったんですが」。辰吉、名城が持つ8戦目の国内最短世界奪取記録の更新へ。ターゲットはWBC王者ニーニョ。弘樹会長は「相手の都合はあるけど年内に何とか」と明言した。入場時、場内のVTRでは「今まで亀田選手が頑張ってきたけど、これからは『僕の時代』」と日本ボクシング界も“覇権奪取”も宣言した。【加藤裕一】