<プロボクシング:東洋太平洋、日本スーパーウエルター級タイトルマッチ12回戦>◇4日◇東京・後楽園ホール◇観衆2300人

 日本スーパーウエルター級1位湯場忠志(33=都城レオスポーツ)がボクシング史上初の日本4階級制覇に失敗した。王者チャーリー太田(29=八王子中屋)に挑み判定負け。王者に東洋太平洋王座V2と日本王座初防衛を成功され新記録達成を阻止された湯場だが、現役続行で新記録に再挑戦する意向を表明した。日本ライト級王者荒川仁人(28=八王子中屋)は挑戦者大村光矢(29=三迫)を5回54秒TKOで下して初防衛に成功し、戦績を18勝(12KO)1敗1分けとした。

 日本4階級制覇の壁は高かった。サウスポーの湯場はスピードで王者チャーリーをかわして距離を取った。8回終了時の採点は三者三様のドロー。その後も鼻から出血しつつも執念を見せたが、終盤に攻め込まれて0-3で判定負けした。これまでライト級(リミット61・2キロ)スーパーライト級(同63・5キロ)ウエルター級(同66・6キロ)の日本3階級を制した。だが08年4月、あごを骨折し3つ目の王座から陥落。引退も考えたが「ボクシングなしの生活が面白くなかった。もう1回やりたい」。再起後は肉体改造にも着手。試合2日前には運気が上がると評判のパワースポットにも足を運んだ。だがあと1歩、届かなかった。「これも人生。ここまで来たし、あともうちょい。また…絶対やります」と涙をぬぐい、偉業への再挑戦を誓った。