<新日本:宮城大会>◇20日◇仙台サンプラザホール◇3200人

 新日本のIWGPヘビー級王者棚橋弘至(34)が、なりふり構わぬ勝利で初防衛に成功した。棚橋は小島聡(40=フリー)を22分22秒、ハイフライフロー2連発から片エビ固め。1月4日のドーム大会で破った前王者を返り討ちにした。

 小島のDDT、コジコジカッターで後頭部を攻められて苦戦。相手が必殺技ラリアットで仕留めにかかったところで、禁じ手を繰り出した。相手の首をえぐるようなラリアットで反撃。「前哨戦でも(昨年の)G1でも食らってたから、1発ぐらいはやりたかった」。かつてアントニオ猪木が、ラリアットの本家ハンセンに繰り出した「おきて破りの逆ラリアット」。それを猪木の68歳誕生日に再現。自分のプロレス観に背いた。「どうしてもベルトを守りたかった」と本音を漏らした。

 これまで5度の王座獲得で、防衛回数は4度が最多だった。今度こそ長期政権を視野に入れる。「全国で防衛を続けたい。その始まりにここ仙台を選んだ」。コスチュームも黒から白基調に変更した新生棚橋が、杜(もり)の都でまばゆい光を放った。【森本隆】