<究極戦士たち(6)>

 日本開催だが、米国で最終調整してきた。3月3日の「UFC

 JAPAN

 2013」(さいたまスーパーアリーナ)に参戦するミドル級の福田力(32=GRABAKA)はブラッド・タバレス(25=米国)戦に備え、米サンノゼにあるアメリカン・キックボクシング・アカデミー(AKA)で約6週間の修行を積んだ。先月8日に出発し、今月24日に帰国したばかり。4年前に結婚。家族を残しての単身修行を選択した。

 福田

 妻と息子(2歳)や所属の方には感謝しています。家族とはメールのやりとり、週末のスカイプで話していました。時差や移動はありますが、米国の方が集中できる。いろいろなタイプの選手、良いコーチもいる。何よりちゃんとやらなくてはいけない気持ちになります。

 10年6月、バイクで移動中に乗用車の接触事故に見舞われ、左ひざ脛骨(けいこつ)を骨折した。長期離脱を余儀なくされ、約1年ぶりの復帰戦だった昨年のUFC日本大会で再起戦を飾った。以後、同7月のフィリッポウ戦前に約6週間、AKAで調整。フィリッポウに敗戦後も予定を変更して約4週間、AKAで居残り練習した。同11月のマカオ大会前も約6週間、AKAに滞在。この1年で約6カ月間はサンノゼで練習し「打ち込める環境で、毎日、精いっぱい必死にやってきた」と強調した。

 米サンノゼではUFCウエルター級のジョン・フィッチ(米国)の自宅の一室を借りて生活している。今修行中にフィッチがUFCに解雇された。「表情はいつもと同じだったけど…。格闘技は残酷」とあらためて気持ちを引き締めた。対戦するタバレスはUFC4勝1敗の成長株。「試合は自分にとって全部が大事。この2~3年で本当に自らを追い込んでやりたい」。UFC2勝2敗の福田が、ここで負けるわけにはいかない。【藤中栄二】

 ◆福田力(ふくだ・りき)1981年(昭56)1月6日、岐阜市生まれ。岐阜工高-山梨学院大でレスリング部に所属。大学4年時に全日本学生選手権フリースタイル96キロ級2位。大学卒業後の03年、長州力が旗揚げしたWJプロレスに練習生として入門も、デビューせず退団。大学の先輩・山本“KID”徳郁らの在籍ジムで総合格闘技を始める。04年4月、米ハワイでプロデビュー。05年には修斗、パンクラスなどに参戦。08年2月にDEEPに参戦し、09年に団体ミドル級王座を奪取。11年2月にUFC参戦。183センチ、83・9キロ。